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再生医療の品質を支える「品質保証」という仕事とは。【Our Voice Vol.12 高野 りや】

セルソースには「すべての人生に自由を 医療に革命を」というミッションの下に、多種多様で魅力的なメンバーが集結しています。
 
そんなセルソースのメンバーにインタビューしていく「Our Voice」。第12弾は、品質保証部の高野 りやさんです。

研究者として豊富な経歴を持つ彼女に、これまでの経験や現在の業務内容、今後の目標についてお伺いしました。

高野 りや|Riya Takano
セルソース株式会社 再生医療本部 品質保証部 

大学を卒業後、国内外で様々な研究実績を積み、2019年4月にセルソースへ入社。現在は、セルソースの加工受託サービス全般の品質保証を担当している。

研究職の経験を経て再生医療ベンチャーへ

ーー高野さんの経歴を教えてください。

子供の頃からとにかく生き物が好きで、獣医になるのが夢でした。その夢を叶えるべく、大学では獣医科がある学部に入って、動物病院でアルバイトをしていました。ですが、途中で自分は「動物が動く仕組みや動物の組織・細胞・遺伝子への興味が強い」ということに気が付き、獣医科に進まず、分子生物学を専攻して修士課程まで進みました。

そこから、好きな研究を続けるために関東のいくつかの研究室を訪問した結果、東北大学の博士課程に籍を置くことになりました。

ーー大学ではどんな研究をされたのですか。

「プログラム細胞死(アポトーシス)」という分野の研究をしていました。

例えば、人間の指って粘土をくっつけるように出来るのではなく、木彫りから切り出すような形で指が出来上がるんです。脳の細胞においても、脳が出来るまでに5〜7割の細胞が計画的に死ぬ(プログラム細胞死する)ことで正確な神経ネットワークが作られているという仕組みがあります。

「死滅する細胞もいれば生き残る細胞もある。その差や仕組みは何なのか。」という生物の不思議に凄く興味が沸き、研究を続けていました。

ーー海外留学もしていたそうですが、そこではどんな研究をしていたのですか。

博士課程2年生の時に、交換留学でオランダへ行きました。そこでは1年間、ノックアウトマウスという遺伝子改変ネズミを作っていました。

どんな働きをしているか分からない遺伝子の働きを知るための研究だったのですが、私たちのグループが見つけた遺伝子は、体内時計(サーカディアンリズム)を司る遺伝子であることが、出来上がったネズミを観察してわかりました。

その研究がイギリスのトップジャーナルであるNatureという雑誌に載り、国際誌デビューとなりました。

ーー帰国後はどのようなお仕事をされていたのですか。

帰国後は2年間大阪大学で研究をして、博士論文を仕上げてから社会に出ました。最初の勤め先は理化学研究所の脳科学総合研究センターでした。その後は10回転職をしましたね。企業の研究開発や大学教員等を経験して、11社目でセルソースに辿り着きました。

働いている人が生き生きしていた

ーーセルソースに転職を決めた理由は何ですか。

いくつかの再生医療ベンチャーの面接を受けましたが、セルソースは圧倒的に印象に残った企業でした。

特に、面接の日のことは今でもよく覚えています。

私自身、これまで10回転職をしてきたので結構面接慣れしていた部分もあり、「自分がこの会社で働けそうか確認する」ことを意識しながら会社を訪問していました。

セルソースは、受付で待っている間にすれ違う人も、案内してくれた人も、働いている人がみんな生き生きしていたんです。面接官の方からも「私たちと一緒に働きましょう」という熱意が凄く伝わってきました。

そして最終面接で裙本さん(社長)と会った時に、「バイタリティの塊」を感じて、「この人がトップの会社はきっと面白い!」と思ったことが入社の決め手でした。

ーーセルソースのことは転職活動中に知ったのですか。

セルソースに転職する前年の「福岡国際マラソン」をたまたまテレビで観ていた時に、出場していた神野大地選手のユニフォームの「CellSource」というロゴで会社の存在を知りました。

当時細胞の研究をしていたこともあり、「Cell+Source」というワードに反応して、「きっと再生医療の会社だ」と思って調べてみたんです。当時は、まさか1年後にその会社で働くことになるとは思っていませんでしたね(笑)。

絶対にミスがあってはならない仕事

ーー現在の業務について教えてください。

入社してからずっと品質保証の仕事をしており、今年で5年目になります。

仕事内容は一言で言うと「チェック役」です。具体的には、医療機関から届いた患者様の脂肪や血液に異常がないか確認する検査や、製造する際の取り違い防止のラベル貼り、そして出来上がった製品が本当に安全なものかを確かめ、その確証として患者様にも分かるような形でレポートを発行するといった業務があります。

「絶対にミスがあってはいけない部署」なので、他の部署とは違った緊張感があると思います。

ーー高野さんの所属する品質保証部はどんな部署ですか。

メンバーは女性が多く、且つお子さんがいらっしゃる方も多くて、残業がとても少ないチームです。皆さん時間の使い方がとても上手で、限られた時間の中でしっかりと業務を遂行しています。学ぶことも多く、とてもいいチームです。

ーー品質保証という仕事に向いている人はどんな人だと思いますか。

協調性がある人ですね。逆に、「自分が目立ちたい」という人には向かないかもしれません。品質保証部が目立たない時は、トラブルなく上手くいっている時なんです。なので「淡々と。でも楽しく仕事ができる」という人が向いていると思います。

あとは、やはりミスが許されないポジションとして、注意深く業務に取り組める方が向いているのではないでしょうか。

より多くの人に安全な治療をお届けできるように

ーーご自身も「PFC-FD™療法」を受けられたと聞きましたが、どのような様態だったのですか。

趣味のソフトボールで打球が膝に当たったことがきっかけで膝関節が炎症を起こしてしまったんです。

足を引きずって歩くほど酷くなり、福利厚生の一つである「加工受託サービス補助制度」(社員やその親族に対して自社サービスを活用した治療を行った場合、治療費の一部を補助する制度)を利用して治療を受けました。

「PFC-FD™」投与後は腫れが引いて痛みが治まり、リハビリを半年間ほど続けた結果、ソフトボールができるまでに回復しました!

ーー最後に、今後の目標を教えてください。

より多くの人が安心して「再生医療」を治療に選択できるよう、今後も品質保証として「安全性」をしっかり担保していきたいです。そして、世の中の人たちにも「再生医療は素晴らしいものだ」と認知してもらうまでは、この品質保証の仕事を続けていきたいと思っています。

「すべての人生に自由を 医療に革命を」という会社のミッションの下、再生医療のリーディングカンパニーという誇りをもって、これからも日々精進していきたいです。