刈谷をもう一度”サッカーの街”に。FC刈谷とおおすが整形外科が紡ぐ物語とは。
2023年8月5日、ウェーブスタジアム刈谷にて行われた「FC刈谷 対 FC ISE-SHIMA」の一戦。この冠ゲームスポンサーは、セルソースでした。
B to B事業をベースとする当社が所謂”スポンサー”になるのは極めて珍しいのですが、提携医療機関である「おおすが整形外科」と「FC刈谷」、この2つの組織が共有する想いや描く未来に共感し、お引き受けいたしました。
今回、FC刈谷 佐々木代表取締役社長と、おおすが整形外科 大須賀院長にお時間をいただき、お二人が持つ熱い想いを伺ってきました。
FC刈谷、というチームについて
――チームの歴史を教えてください。
佐々木:デンソーのサッカー部を源流とするチームです。デンソーが2006年にサッカー部の休部を決定した際に「FC刈谷」という名前に代わり、NPO傘下のチームとして生まれ変わりました。
その後苦しい時期もありましたが、2019年には7年ぶりの天皇杯出場、2020年にはJFLに昇格しました。残念ながら2021年に東海社会人リーグに降格となりましたが、当然下を向くことなく、現在は「2026年のJリーグ参入」を大きな目標に掲げて一試合一試合を戦っています。
私自身は2022年にFC刈谷の代表取締役社長に就任しており、その前はモンテディオ山形などのJリーグクラブや卓球のTリーグにおりました。まずは今シーズンでのJFL昇格が使命ですね。
――チームのユニークなところを挙げるとしたら、どんなところですか。
佐々木:「社会貢献」ですね。「健康」をテーマにした地域社会貢献活動は相当やっていると思います。
具体的には、食育をテーマとした「みんなのFC刈谷ちいき食堂」、認知症予防を目的とした老人ホームでの「懐話ふだ」など、スタッフ・選手を巻き込んでの活動を行っています。
――「勝利が全て」というチームもあると思いますが、そんな中でFC刈谷が社会貢献活動に力を入れているのはなぜですか?
佐々木:一つ例を挙げて説明すると、老人ホームの方々はコロナ禍で非常に外出がしづらくなってしまったんですね。落ち着いてきた今でも、どうしても億劫になってしまう。そんな中で、FC刈谷の若い選手たちが来て、色んな話が出来たら、「じゃあ、一回試合観に行こうか」となる。
勿論、我々として観客動員数を増やす、という意味もありますが、「FC刈谷の試合と活動を通じて地域を活性化させる」という目的を実現するのに、とても良いアプローチだと思っています。
――選手たちもその想いに共感して、そういった活動に参加しているのですか?
佐々木:はい、まさにその通りです。選手たちも「必要とされている」ことに強い喜びを感じてくれていますね。年間で試合があるのは7カ月。じゃあ、残りの5カ月どうするんだと。地域に貢献し、地元の人々との繋がりをもち、そこで得たエネルギーを、また試合で発揮してくれています。
現在、FC刈谷の選手で刈谷出身の選手は殆どいません。だからこそ、地元ではない街の優しさに触れられることは貴重です。退団後の選手が刈谷の祭りの時に戻ってきてくれる、なんてエピソードも珍しくありません。
地元のサッカーチームを支援する理由とは
――一医療機関がサッカーチームのトップスポンサーを務める、というのはかなり珍しいですが、どのような経緯があったのでしょうか?
大須賀:私が勤務医だったときの上司に当たる先生が刈谷高校サッカー部の出身で、その方からご紹介をいただいたのが最初です。2007年からチームドクターを務めていますが、「何人かのドクターのうちの一人だろうな」と思って引き受けたら、まさかの私一人でした(笑)。
2015年の「おおすが整形外科」開業直後に、チームへの人的支援を中心としたサポートを開始しました。理学療法士や柔道整復師を当院からチームのトレーナーとして派遣する、ということですね。
人的な支援を行うことに迷いはありませんでした。当時は他の接骨院の方なども関わっていましたが、やはり当院のスタッフがワンチームでやっている状態が最も効率が良いのは明確でした。
そして2018年にFC刈谷がユニフォームにスポンサー名を入れるようになったので、そこでもご一緒させていただくことを決めました。
――「FC刈谷へのサポート」という所には、どんな想いが込められているのでしょうか。
大須賀:我々は医療機関ですが、「地域をスポーツで活性化させたい」という想いを持って活動をしています。スポーツ・運動を通じて健康寿命を延ばし、ひいては寿命も延ばしたい。
だからこそ、まだまだ日本の医療機関では導入事例の少ない初動負荷トレーニングを導入するなど、独自の取り組みも行っています。
――「おおすが整形外科」の存在はFC刈谷としていかがですか。
佐々木:チームのパフォーマンス向上に繋がっているのは当然ですが、それ以外にも、我々が「健康」をテーマに活動する際の質も説得力も、全く違いますね。
スポーツチームが独自でやるのと、専門医療機関の監修の下で活動するのでは、周りからの信頼も効果も天と地ほどの差があります。ここまで医療機関とタッグを組んで地域貢献活動を行っているのは、Jリーグチーム含めても珍しく、ユニークだと思っています。
今回、セルソースに声を掛けてくださったのは
――皆様の周りには沢山のステークホルダーがおられます。そんな中で、今回セルソースにお声がけをいただいたのはなぜでしょうか。
佐々木:解決に取り組んでいる社会課題が同じである、つまり我々とベクトルの向きが同じ企業であると思ったからです。
セルソースは最先端の技術を以て、高齢者の方やアスリートに寄り添い、「治療の新しい選択肢」を提供し、健康寿命の延伸を目指しておられます。スポーツを起点として健康寿命の延伸を目指す我々と同じ想いを共有できると思い、お声がけしました。
大須賀:セルソースと提携したのは2022年3月ですが、実は我々はそれ以前からPRPに興味を持っていました。ですが新しい治療ですし、どうしても信頼し切れずに導入できなかった。
そこにセルソースからコンタクトをいただき、製造現場も拝見し、「これなら信頼できる」と思って導入を決めました。シンプルに「ちゃんとしてる」会社であり、今後も社会に貢献していくと確信しているので、連携を深めたいと思っていました。
刈谷をもう一度、「サッカーの街」に
――お二人からは、「スポーツを通じて地域の活性化を」という言葉以上の熱意を感じます。その裏側にはどんな想いがあるのですか?
佐々木・大須賀:私たちは、刈谷をもう一度「サッカーの街」にしたいという強い想いがあるのです。刈谷高校は愛知県でも有数の進学校なのですが、昔はここのサッカー部が全国大会でも上位に入っていました。街全体で刈谷高校を応援するところから、サッカーという競技が街の中心になりました。
実は今でも、小学生のサッカークラブは非常に多い地域なんですね。でも、今は中学・高校・大学と進むにつれてドンドン地区外・県外に出て行ってしまう。それがとても寂しい。
FC刈谷がもっと強くなり、もっと上のカテゴリーにいられるようになれば、皆が刈谷に残り、また街全体がサッカーを軸に盛り上がると思うのです。
実は、FC刈谷のロゴにある「赤だすき」も刈谷高校サッカー部のユニフォームが由来になっています。「サッカーの街・刈谷」を目指して、僕らは頑張ります。
――非常に遠大でビジョナリーな目標を掲げておられることに、とても感動しました。それでは佐々木社長、最後に今期の目標など読者の皆様にメッセージをお願いします。
佐々木:まずは今期のJFL昇格。これは至上命題です。また、「サッカーの街・刈谷」の実現には集客も重要ですが、足下で有料観客数も増えてきています。
今は未だ1,000人前後ですが、これを2,000人、3,000人に伸ばしていけるよう、実力と集客力、どちらも伸ばしていきます。
Jリーグのチームではありませんが、今日お話したような想いを持って活動しています。是非一度、試合を観に来てください。選手・スタッフ全員で、喜んで頂ける時間をお届けします!
――本日はお時間をいただきまして、ありがとうございました!