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いよいよ始まる海外展開。インド人医師が見るPFC-FD™の展望。

こんにちは、経営企画本部の細田です!

2023年5月、当社はインド総合病院・SAKRA WORLD HOSPITALでのPFC-FD™を用いた治療開始について発表いたしました。

当該事業開始に向けた技術移管の一環として、同病院のDr. Shabnam Roohiが来日し、セルソースにて技術指導を受けました。

どのような研修が行われたのか、そして実際の所、我々のサービスは現地の方からはどう見えているのか、本件のポテンシャルや来日中に感じたセルソースの雰囲気について、SAKRA病院のShabnam氏と彼女をアテンドしたセルソースの杉本さんに伺ってみました。

そしてSAKRA病院の整形外科医であるChandrashekar氏からのメッセージも最後に掲載しています。本記事から、インド事業の雰囲気、そしてポテンシャルを感じていただけたら嬉しいです。

前職の経験も生かせた英語での技術指導

杉本 瑞紀|Mizuki Sugimoto
セルソース株式会社 CPC本部 製造部 生産技術チーム

大学卒業後、胚培養士として不妊治療専門クリニックに就職。その後、別業種の営業職を経験した後、2022年3月セルソースへ入社。血液加工受託サービス「PFC-FD™」の製造チームリーダーとして、10人を超えるメンバーをまとめてきた。2023年7月より加工受託サービスの高度化を図る「生産技術チーム」へ異動。
杉本さんへのインタビュー記事はこちら

ーーShabnam氏の技術研修担当に選ばれましたが、それを聞いたときはどのように思われましたか?

前職で海外の方の技術実習サポートなどを行っていたこともあって「海外」や「英語」という文脈に興味があるので、「やった!」という気持ちが強かったです。

ただ、私は英語が流暢に扱えるわけではないので、「社内の英語話せる方にサポートしてもらえますよね・・・?」という点もすぐに確認しました(笑)。

ーーShabnam氏はどのような方でしたか?

第一印象は「穏やかで聡明な方」でしたが、お話しして、技術指導が始まっても印象は変わりませんでした。

先入観を持たないために事前の情報は頭に入れなかったのですが、後から聞いたらとても凄い経歴の方で驚きました。そんな感じが一切しない、とても謙虚な方でした。

ーー彼女は技術を覚えるのがとても速かったと聞きましたが、それはなぜでしょうか。また、杉本さんが工夫されたことはありますか?

本当に習得が速かったのですが、そのポイントの一つが「手元をよく見ている」ことだと思います。とても当たり前のことに聞こえますが、一つひとつ  の手技を「見る」レベルがとても緻密で、解像度がとにかく高いから、再現できるレベルが高かったのだと思います。

また、私は英語が得意ではないですが、「感覚的な部分もとにかく具体的に」説明するよう、意識をしました。前職で外国人技能実習生を受け入れる仕事をしていたのが生きたのかもしれません。

ーーまたこういう機会があれば、やってみたいですか?

やはりこういう特別な機会は刺激になりますし、是非やってみたいです。日本の技術が海外で形になる、結果を残すのはとても「ロマン」がありますし、自分ももっと海外というフィールドに触れたいので、ぜひチャレンジしたいですね。

改めて感じた、PFC-FD™のポテンシャル

Shabnam氏の練習風景(血液ではなく色水を用いております)

Shabnam Roohi

Sakra World Hospital Bangaloreの臨床検査医学部門のディレクター。
2000年にKasturba医科大学にて病理学分野での学位を取得後、Apollo Hospitals Chennaiの血液病理学者として2007年まで勤務。その後はApollo Hospitals Bangaloreにて血液病理学および臨床病理学部門の責任者を勤めた。2013年にSakra病院に入社し、現在は臨床検査サービスの設計・計画・開始など同サービス全体を管掌。

ーー最初にこのプロジェクトについて聞いたのはいつ頃ですか?また、その時はどのような印象を持ちましたか?

一番最初に聞いたのは、2022年の9月頃だったと思います。その時はこのプロジェクトの中心にいたわけではないのですが、PFC-FD™というサービス     に対する見解や、導入可能性についての意見を求められました。

最新の技術が導入されることに、とても興奮したのを覚えています。というのも、従来型のPRPを使っているクリニックのDr.から話は聞いていたのですが、そのフローがクリニックにとっても、患者にとっても好ましくないものだったからです。

ですが、PFC-FD™はそういったフローの問題点を解決するものであることが分かったので、非常に前向きに捉えました。

ーー再生医療やPRPといったものは、インドでは良く知られたものなのでしょうか?

殆どの人は知らないと思います。実際、私は日本から帰ったあとに知人や親戚、そして医師の友人たちに話をしましたが、殆どの人は再生医療もPRPも知りませんでした。

ただ、インドでもAGA向けにPRPは使われているので、皮膚科の医師や、そういった悩みを抱えている男性の間では知られた存在です。

ーーそうなると、インドにおけるPFC-FD™のポテンシャルについてはどうお考えですか?

非常に大きな可能性を感じています。変形性膝関節症は既にインドでも大きな問題になっており、特に50代以上の方々にとっては深刻な問題です。私が感じるに、この「膝の痛み」の悩みは他の国よりも深刻であり、手術を嫌気する患者様を中心に大きなマーケットがあると思います。

なぜインドでは膝痛が問題になりやすいかというと、生活様式が大きく関係していると思います。栄養が偏った食生活であることに加え、セデンタリー・ライフスタイル(座りっぱなしで体を動かさない生活のこと)の人が多いので、運動不足によって膝痛が進行しやすいのです。

ーー話は少し変わりますが、セルソースでの研修はどのようなものでしたか?

日本での研修、トレーニングは想像していたよりも非常にきめ細かく準備されていて、驚きました。PFC-FD™を作るにあたってのステップを一つひとつ学んでいったのですが、都度クリアなガイドをいただきました。

例えば、血液のどの部分を採取するのか、は当たり前として、その時に右手は何のどこを持っていて、左手はどのように動かすと良いのかなど、これまでのセルソースが培ってきたノウハウを余すことなく教えていただけました。

ーー今回の研修を通じて触れ合った当社メンバーはどんな人たちでしたか?

杉本さん、山木さん、穂井田さんが主に対応してくれましたが、それ以外にもランチなどで多くのセルソースの社員の方と触れ合う機会をいただきました。毎日違うお店に連れて行ってくれて。

強く感じたのは、皆さんの「プロフェッショナルさ」と「情熱」ですね。この二つを持って仕事に取り組まれていることを強く感じましたし、とても魅力的だと思いました。

ーーまた機会があれば日本に来たいですか?

はい、もちろんです!ですが、まずはPFC-FD™をSAKRA病院でしっかりスタートさせ、患者様に喜んでもらえる日を早く実現したいです。

現地医師からのコメント

Chandrashekar氏と海外事業担当の山木

Dr. Chandrashekar P.

整形外科を修了後、インド、ドイツ、ベルギーにて関節置換と関節鏡手術のトレーニングを経験。2010年からFortis Hospitalsで働き、2014年にSakra World Hospitalに入社。シニアコンサルタント兼整形外科の責任者として勤務し、本日に至るまで6,000件以上の手術を経験してきた。

こんにちは、バンガロールのSAKRA病院 整形外科シニアコンサルタントのチャンドラシェカールです。

我々は、PFC-FD™という新しいサービスをSAKRA病院で提供できることに大きな期待を持っています。

このサービスは変形性関節症、特にKL-グレード2やグレード3(中期)の関節炎に悩む患者にとって非常に有用だと思います。また、踵骨棘や後踵骨棘のような状態のテニス肘等の病気の治療に大いに役立つはずです。

また、細胞が入っていないことで既存のPRPとの差別化も大きく図れると考えています。

このサービスを活用出来る日が来ることを、とても楽しみにしています。

編集後記

私自身はShabnam氏の研修プログラムそのものへの関与はしておらず、海外事業責任者として日々報告を受ける立場だったのですが、とにかく現場からは「とても素敵な人です!」「覚えるのが速い!」といったとてもポジティブな意見が毎日あがってきていました。

そして、私も夕食でご一緒をしましたが、本当に利発且つ謙虚な、とても魅力的な方でした。こういった方と繋がれること自体が素晴らしいご縁ですし、よりインド案件の成功期待が高まったなと感じました。

また、私がそれ以上に嬉しかったのは、英語に不慣れなメンバーも一所懸命にコミュニケーションしようとしてくれたこと。決して英語スピーカーが多い会社ではありませんが、ランチやオフィス案内など、それぞれの場で皆がコミュニケーションを取ろうとしているところを見聞きし、「やっぱりセルソースはいい会社だな」と思えました。

インドでPFC-FD™が活用される日も、もうまもなく。SAKRA病院の皆様と二人三脚で頑張っていきたいと思います。


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