難しい情報を人に分かりやすく伝えるには、まず自分自身が深く理解すること。【Our Voice Vol.7 森 絵美】
セルソースには「すべての人生に自由を 医療に革命を」というミッションの下に、多種多様で魅力的なメンバーが集結しています。
そんなセルソースのメンバーにインタビューしていく「Our Voice」。第7弾は、メディカルコンプライアンス部の森 絵美さんです。
再生医療は近年少しずつ認知が高まってきていますが、まだまだ知らない人も多い領域。セルソースのサービスがどんな疾患に対してどのような効果があるのか、学術的な情報からエビデンスを構築していくことも、セルソースのサービスを安心して活用してもらうために必要なことです。
今回取材した森さんはメディカルデータチームに所属し、学術情報を社内外へ伝達する業務を行っています。「難しい情報をかみ砕いて人に伝えることが好き」という森さん。広く深い知識とコミュニケーション能力が要となるポジションで、彼女が活躍する理由を深堀りしました。
社会と関わっていたい。その想いで再就職を決意。
――大学ではどんなことを学んでいたのですか。
大学で所属したのは高分子工学科でした。高分子とは、洋服、化粧品、パソコン等、私たちの身の回りにある物の素材となるもので、私はそれらの基礎研究をしていました。大学卒業後は、高分子素材を開発する化学メーカーに勤め、そこではあらゆる製品の素材を分析する業務を行っていました。
入社して2~3年が経った頃、出産を機に退職することになりました。当時は未だ結婚・出産後に復帰して働くということが珍しい社会でしたし、特に研究職の女性で育児をしながら働いている前例があまりなかったこともあり、「会社に戻る」という選択肢は頭になかったですね。
でも子供が1歳になった頃、退職したことを後悔し始めました。家事や子育てだけの毎日を送っていると、なんとなく自分が社会から孤立してしまっているように感じてしまって。社会と、もっと色んな人と関わりたいという思いが強くなっていきました。
――そこで再び働き始めたのですね。
子育てをしながら働けるということで、大学の研究室で研究のお手伝いを始めました。2人目の出産で専業主婦に戻ったのですが、落ち着いた折にまた別の研究室で仕事を始めたりしましたね。
――いくつかの研究を経験されたと思うのですが、直近はどんな研究をしていたのですか。
東京大学工学部の研究室で医学部の先生と共に、微量の血液から微量タンパク質を検出する早期診断デバイスの開発行っていました。早期診断はセルソースのミッションの1つである「医療費の削減」にも通じるところがあり、やりがいを感じながら働いていました。
そこで8年勤めましたが、主人のアメリカ赴任をきっかけに退職し、カリフォルニアに2年間滞在しました。
――海外生活に不安は無かったですか。
それまでの仕事でも海外の学会で発表したりしていたので、英語を使うコミュニケーションには慣れていると思っていたのですが、日常会話はスピードが速くて凄く難しかったです!それに慣れるまでは本当に大変でした。
ただ、フレンドリーな文化は本当に新鮮で楽しかったです。カリフォルニアの方々は、知らない人にも気軽に声を掛けるんです。真っ青な空や海、爽やかで温暖な気候に癒されていたのでもう少し長くいたかったけど(笑)、感染症の影響で帰国が早まってしまいました。
――帰国後はどんな仕事を探したのですか。
帰国してから「自分のこれまでの経験を活かせる仕事がしたい」と、医療系の仕事を探しました。実は、学生時代に医学部を受けなかったことを後悔したぐらい、「医療分野に携わりたい」という気持ちがあったのです。当時は血が苦手だったのでその道には進みませんでしたが、結局その後の研究で血を扱いましたからね(笑)。
前職で医学部の先生方と接する機会が多かったことも、医療分野で貢献したいと強く思うきっかけとなったと思います。
そこで、たまたまセルソースを見つけて面接を受けたのですが、セルソースは選考スピードがとても速かったことや、再生医療に関する可能性と、ご縁を感じて入社を決めました。
医療機関の向こうにいる“患者さま”を意識して
――入社してみてギャップを感じることはありましたか。
ベンチャーには、忙しくて夜中まで働いているようなイメージをもっていましたが、少なくとも私はそういったことはなく、自分のペースで働かせてもらえています。それは、セルソースが真に必要なこと、つまり「本質」に力を注いでいるからだと思います。
正直、自分より若いメンバーも多いので、その中に入っていくことに最初は少し不安もありました。ですが、年齢や肩書等を気にしない、良い意味でフラットなコミュニケーションを取ってくれる人ばかりなので、直ぐに安心して馴染むことが出来ました。
――森さんの現在の業務を詳しく教えてください。
論文やケースレポートなどの情報を対象疾患毎に収集し、社内のメンバーに分かりやすく伝えるのがメインの業務です。
また、医療従事者の方から相談、問合せがあった時にしっかりお答え出来るよう、学術情報を集めて、医療従事者の方々とディスカッションしたりもします。営業メンバーに同行して、エビデンスとなる情報を取引先である医療機関の先生方に提供し、信頼関係を築いていくことも重要な仕事ですね。
――仕事をする上で意識していることは何でしょうか。
「私の提示した情報が、社外の多くの人に伝わっていく」ということです。セルソースの取引先は医療機関ですが、その向こうにいる患者さまの存在も意識して、正しく発信できるよう責任感を持ちながら仕事をしています。
また、私の場合は自宅で一人集中して業務をすることが多いのですが、たまに出社して会社のメンバーとコミュニケーションをとることも大事にしています。仕事に限らずですが、丁寧なコミュニケーションって大事ですよね。相手がどういった意図で質問をしているのかを想像しながら答えることは凄く意識しています。
――森さんの精神が常に安定している理由は、そういったコミュニケーションでの意識があるのですね。
そもそも人とお話することが好きなのだと思います。人に興味がありますし、人から色々な話を聞きだすのが好きなんです。
人と和やかに、協力し合いながら過ごしたいと思っています。苦手と思う人にも良い所は必ずあるので、そういう部分をなるべく見るようにしています。
――森さんの趣味や特技を教えてください。
専業主婦をしていた頃、アロマテラピーのアドバイザーとインストラクターの資格を取得して、自宅にママ友を呼んでアロマ教室をしていました。色んな人と交流することや、人に分かりやすく伝えて、人に喜んでもらえることが好きなんです。
海外にいた頃は、日本よりも道が広くて運転しやすかったので、気分転換にドライブすることも好きでした。最近は予定が合えば主人と二人でドライブをして、鎌倉のカフェでゆっくりしたりしています。
大変だからこそやりがいがある。
――業務で大変だと思うところはどんなことでしょうか。
実は自分が理解するまでに、物凄く調べて頭に入れる必要があるんです。
セルソースのサービス領域は整形外科だけではなく、産科・婦人科の不妊治療、形成外科の乳房再建、美容皮膚領域等、幅広い疾患に用いられています。各々の領域で情報は常にアップデートされていきます。常にアンテナを張り、情報をつかみ、そしてそれらを吸収する。このプロセスはかなり大変です。
ただ、社内のメンバーに情報を伝えた時に「凄く分かりやすかった!」と言ってもらえたり、営業メンバーから「森さんの情報のお陰で先生の信頼を得られました!」という声を聞いたりすると、凄く嬉しいですしやりがいを感じます。
――最後に、今後の目標を教えてください。
まだ公表できないのですが、新しいサービスを稼働させようと、現在学術データを集めて纏めているので、まずはそれを実現させることです。
また、セルソースのサービスを提供する疾患領域を広げていくためは、私の業務も非常に重要な役割を担っていると思います。医療機関の先にいる患者さまに、新しい治療の選択を提供することは、会社の目標であり私の目標でもあります。