【患者さまインタビュー】歩くのも辛かった状態から、正座が出来るまでに。「PFC-FD™療法」によって変化した日々。
こんにちは、営業本部長の細田です。
セルソースは「すべての人生に自由を 医療に革命を」というミッションの下、これまでに90,000件以上の細胞や血液の加工を受託し、医療機関にお届けしています。
セルソースが提供する血液由来加工受託サービスを用いた「PFC-FD™療法」は、自身の血液に含まれる血小板の働きを濃縮活性化して活用する治療方法であり、主に変形性関節症に対する治療として活用されています。
野球の大谷翔平選手の怪我の治療に使われたことで話題になった「PRP療法」という自己血液を活用した治療があり、「PFC-FD™療法」はそのPRP療法を応用した技術です。
今回は、膝の治療に「PFC-FD™療法」を活用いただいた『福山整形外科クリニック』の古川先生と、ご自身も膝関節症の治療経験のある岡田看護師、そして実際に治療を受けた患者さまにインタビューさせていただきました。
『絶対に手術はしたくない』、その想いでPFC-FD™療法を選択
--井上さんは、元々お仕事で整形外科領域に携わられていたそうですね。
はい、5年前まで整形外科病院に看護師として勤めていました。なので、変形性膝関節症のことや、その治療法のことについては、元々よく知っていました。
--膝に痛みを感じ始めたのはいつ頃からですか。
病院に勤めていた頃から痛みを感じていました。なので、もう発症してからは、7-8年ほどが経ちます。
症状が酷くなってきて以降は日常生活すら困難になりました。階段の上り下りとかではなく、単に真っ直ぐ歩くだけでも痛く、非常に辛かったです。
勤めていた病院でも水を抜いてもらったり、ヒアルロン酸を投与したりしていましたが、一時的に痛みが取れても、状態が改善することはありませんでした。
--どのような経緯で「PFC-FD™療法」を受けることになったのですか。
まず、福山整形外科クリニックには、隣接するモールに買い物をしに来た時に気が付き、通うようになりました。通い始めてから3年ほど経っていると思います。
最初はヒアルロン酸を打ったのですが、余り効果が無く悩んでいたところ、先生が「PFC-FD™療法」を勧めてくださりました。
変形性膝関節症もかなり進んでいましたが、「絶対に手術はしたくない」と思っていたので、少しでも状態が改善すればと思い、両膝に打つことを決めました。
一所懸命にリハビリに取り組み、正座が出来るまでに
--治療後の容態は如何ですか。
2023年8月に投与したのですが、その後数週間で変化が起き、痛みが軽くなってきました。
前は3-5分歩いたら止まっていたのが、歩くだけでなく、ゴミ出しや畳からの立ち上がりもスムーズになり、日常生活がとても楽になりました。
看護師の岡田さんからは「打っただけで急に良くなる魔法の薬じゃない。ちゃんと運動・リハビリをしないと、効果が半減してしまいますよ」と言っていただいていたので、リハビリはかなり頑張りました。その効果があったのだと思います。
--岡田さんにお伺いします。井上さんはそんなにリハビリを頑張られたのですか。
岡田さん:はい、我々のクリニックでの通常の運動器リハビリだけではなく、ご自宅でのセルフトレーニングもしっかり取り組まれているのを感じました。
VAS(Visual analogue scale)という膝の痛みを測る指標があるのですが、井上さんは元々VASがかなり高かったのです。
ですが、PFC-FD™療法を受けてから数週間後にVASが改善してきて、状態も徐々に良くなっていきました。
--井上さんは、どうしてそんなにリハビリを頑張れたのですか。
「やらないと良くならない」と思えたことが大きいと思います。せっかく自分の膝にお金を掛けたので、ちゃんとやろうと。都度岡田さんの言葉を思い浮かべながら頑張りました。
あと、「リハビリをやろう!」と肩に力を入れるとなるとハードルが上がってしまうので、「ながら時間」や「すきま時間」をとにかく有効活用しました。
担当の理学療法士さんからは色んなセルフトレーニングの方法を教わっていたので、それを繰り返していたら、気付いたら足が上がるようになっていました(上写真)。
--どんなところが大きく変わりましたか。
まず一番嬉しかったのは、「庭の草むしりが出来るようになった」ことです。大きくはないですが、一本ずつ植えて、大事に造り上げた庭なので、膝を痛めてから庭が荒れてしまったのがとても悲しかったのです。
お蔭様で、今はしゃがんで草取りが出来るようになったので、綺麗な状態を保てているのが嬉しいです。
また、三味線を趣味で弾くのですが、弾くときに正座が出来るようになったのも嬉しいです。まだ10分ほどではあるのですが、「正座」という選択肢が持てるようになったことがとても嬉しいです。
状態を維持するのではなく、改善したい
--2022年に導入後、継続してPFC-FD™療法を行われています。どんな思いで利用されているのでしょうか。
変形性膝関節症は関節軟骨が加齢とともに変性する疾患で、2,500万人以上が罹患していると言われています。
要介護の原因である関節疾患の一つであり、今後の高齢化や健康寿命の延伸を考えると、今後、変形性膝関節症の治療はますます需要が増えると考えられ、適切な治療時期に適切な治療を提案する上での選択肢の一つとしてPFC-FD™療法が必要だと思い、導入しました。
その後、当院では100例以上実施しましたが、勿論全例ではないものの、状態を改善する効果が得られていると感じます。
--PFC-FD™療法の活用にあたり、留意すべき点はありますか。
変形性膝関節症ではCore Treatments(運動、教育、減量、自己管理)が大切です。それを行った上で、ヒアルロン酸注射などの保存療法を行っても改善が得られない患者さんに対して、一つの有効な治療の選択肢になると考えております。
現在行っているPFC-FD™療法の今後の課題は、どのような患者さんには効果が期待できて 、どのような患者さんには効果が乏しいかなどを治療前に我々医師が判断できるようになることかと思います。
社会課題の解決に繋げたい。そのためには「One Team」にならないといけない。
--先生とお話をしていると「治療のその先」の話になることも多いです。
そうですね、やはり日本の「財政赤字問題」については、とても気にしています。高齢化に伴って国庫負担が積みあがっていく中で、そこに対する問題意識はありますし、一人の医師として微力ながら国の課題解決に貢献したいと考えています。
そう考えた時に、適切な形で自費診療を取り入れるというのは、一つのアプローチだと思います。
保険診療と 自費診療の組み合わせによって患者さまの容態を改善できれば、国庫負担を軽減しつつ患者さん自身も疼痛のない生活が送れるようになる、国、患者さん(国民)、医療者(医療機関)が「三方良し」の治療になると考えられます。
--セルソースが掲げているミッションや考え方にも非常に近いです。
はい、セルソースは「解決に取り組む3つの社会課題」として「財政問題」「高齢化問題」「少子化問題」を掲げており、変形性関節症の治療はまさに「財政問題」「高齢化問題」の解決に直結するものと考えます。
変形性膝関節症などの疼痛は持続すると慢性化し、治療に難渋します。 また、それに伴う慢性疼痛の社会的コストも問題となっております。
そのような現状を変えるためにも、適切な時期に適切な治療を提案し、医師、看護師、理学療法士、患者さんと共にOne Teamとなり、治療に共に取り組むことが大変重要だと考えております。
今後、セルソースのSpiritでもある“One Step Forward”の治療を行い、慢性疼痛や要介護といった社会的課題にも取り組めたらと考えております。
取材後記
今回は広島県にある『福山整形外科クリニック』で取材をさせていただきました。
インタビュー中、看護師の岡田さんが本当に井上さんのことを良くご存知であり、また、一所懸命なリハビリを通じてしっかりと状態を改善させたことをとてもリスペクトしていると感じました。
過去のインタビューを振り返ってみても、「治療する側/される側」だけではない関係性が、良い結果を導くと改めて再確認した時間でした。
また、非常に視座の高い古川先生のお話を伺い、より大きな課題解決に繋げられるよう、会社としても一個人としても努力していきたいと改めて思いました。
なお、「PFC-FD™療法」は飛翔会グループ全体で導入されており、今回取材した福山整形外科クリニックだけではなく、寛田クリニックでも活用されています。