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どれだけ大変でも、絶対に”課題”を見失うな ~セルソースにおけるプロジェクトの進め方の一例~

こんにちは、セルソースDX担当の岩渕です。

今年1月の記事で利用ガイドラインを紹介した通り、セルソースでは昨年6月からSlackの利用を始めました。(セルソース流Slack活用術の記事はこちら

“DX”というほどのものではないですが、会社のデジタルコミュニケーションを一新させる、企業価値に直結するプロジェクトであり、地味だけど困難なハードルの多い案件でした。

そういった「困難な」案件を推進するとき、つい「ツールの導入」に意識が行き、当初設定していた目的から離れて行ってしまうケースは少なくありません。

ですが、我々はセルソースValueの一つである「課題ドリブン」を最後まで大事にし続けたことで、目的をブラさず課題を解決することができました。今回は、そんなエピソードを紹介します。


ステップ① 課題を探す

バイアスの怖さ

このプロジェクトは「Slackを導入しよう!」として始まったものではなく、まずは「解決すべき課題を探す」というところから始めました。

ここで特に意識をしたのは「バイアスによって本当の課題を見逃す事態を絶対に起こさない」ことでした。

どんな優秀な人、どんな聖人君子でも、皆自分が見ている世界には、少なからず自分の思い込み=バイアスが含まれています。

そのバイアスを残した状態で課題を探しに行くと、本来解決すべき課題は見えなくなり、解決しなくてもよい課題が目立ってしまうかもしれません。

もしその世界で「誤った課題設定」をしてしまったら、もう一巻の終わりです。プロジェクトの失敗は確約されてしまいます。そのため、特に以下の二つのバイアスの排除を心掛けながら課題の探索を始めました。

バイアス①:「この課題はこのプロジェクトとは無関係だろう」という思い込み
バイアス②:「今の状況が当たり前で、変化・改善の余地はないだろう」という思い込み

もちろん、これ以外にも数多のバイアスはありますが、このクリティカルなバイアスを徹底的に排除することを特に意識しました。

何をやったか

まず、オンラインホワイトボードMiroを用いて全メンバーにアンケートを取りました。

「困っていることを挙げていってください」というお願いと共に、「ITやデジタルに関係なくてもOK。どんな困りごとでも大丈夫です」という但し書きを添えることで、バイアス①の排除を目指しました。

その結果、ホワイトボードには458件もの付箋が集まりました。突飛なアイテムもあり、「かなり自由に書いてくれているな」という印象を持てるものでした。

実際のMiroの画面

そして次に、メンバーへのヒアリングを実施しました。ここで心掛けたのは「ファクトフルネス」。つまり、「こう思っている」といった考えだけではなく、課題の前後も含めた具体的な事実を聞き出しました。

事実を聞き出すことで、本人が認識していない課題も見つけ、バイアス②を排除することを狙いました。


ステップ② 優先度評価

大事なのは「センターピンであるかどうか」

課題を洗い出したら、その優先度を付けていきます。優先度評価というと、「改善効果・緊急度」で評価する方法が代表的ですね。

この方法も悪くはありませんが、我々のようなベンチャー企業では、「どれも改善効果が高いので、早く始められることからどんどんやろう!」となり、最も重要な課題にたどり着く前に結論が出るケースがよくあります。

そこで我々が取り入れたのは「それはセンターピンであるか」という評価でした。具体的には以下です。

センターピンとは、ボウリングの中央先頭のピンになぞらえた
そこを倒せば他の課題も連鎖して解決できる課題」のこと。
=「課題Aを解決したら課題B、Cも解決しやすくなる」という例における、「課題A」に、優先して取り組むという発想。

センターピンを攻めることが最もリソースを有効活用できると考え、この軸も評価に取り入れることとしました。

徹底的に因果関係を紐解く

センターピンであるかどうかを評価するためには、物事の因果関係を明確化させる必要があり、それを紐解きにかかりました。

458ある課題は、何が起点で、どういう経路を辿って発生しているのか。最も多くのピンを倒すセンターピンはどれなのか、を探しにいきました。

 整理の結果、「質の低いチャットコミュニケーション」がセンターピンであるという結論に至りました。具体的には、 以下のような整理をしました。

・チャットの確認や整理に多くの時間が割かれ、業務時間を圧迫し、残業が増えていた(課題B)
・大人数での議論・連絡がしにくく、浅い議論に終始したことで、生産性が下がっていた(課題C)
・全てのチャンネルがクローズなことで、他の人が自分の見ていないところで何を話しているか分からず、不信感が生まれ、社員間の信頼関係が損なわれていた(課題D)

言い換えると、「チャットの問題を解決しなければ、他の課題に一つ一つ取り組んだところで効果が薄い」と判断できたので、「オープンで、誰も混乱せずに使えるデジタルコミュニケーション空間を作る」というゴールを据え、Slack導入を目指すこととなりました。


課題が設定されてから

プロジェクト推進チーム内の意識統一

プロジェクト推進チーム内でも、 “絶対にツール導入を目的にしない”という強い決意を共有しました。Slack導入を前提とはしますが、もし課題解決にそぐわないのであれば、途中でプロジェクトを中断しなくてはなりません。

本当に今自分たちが取り組んでいることは、「オープンで、誰も混乱せずに使えるデジタルコミュニケーション空間の実現」に繋がっているのか?その問いを常に自分たちに向けていました。

リッチな利用ガイドラインの作成

その結果、我々は「かなり細かい利用ガイドラインを作成しよう」という結論に至りました。

「オープン」という言葉が今回のプロジェクトのキーワードであるにも関わらず、「数ページにわたる細かいルールを利用者に課す」ことは一見して矛盾するものであり、推進チーム内でもかなりの議論が巻き起こりました。

しかし、長い議論の末、「僕らが考える最高のゴールに到達するには、絶対に必要である」という確信に至り、作成に取り掛かりました。

現在のこのルールがかなりの効果を発揮していますし、「ツール導入が目的になったプロジェクト」では、ルールを設定する発想は出にくかったと振り返って思います。

ガイドラインの詳細はこちらの記事に書かせていただいたのでぜひご覧ください!


まとめ:そこに解決すべき課題はあるか

ついツール導入が目的になってしまうところを、課題を重視するという考え方を紹介しました。

冒頭でも紹介したように、こうした課題ドリブンの考えを、セルソースはValueの1つとして掲げています。

 「そこに解決すべき課題はあるか」という言葉を当社の代表が良く使うのですが、DXの場面でも効果を発揮する問いだと感じています。 

今後プロジェクトに取り組む皆様も、「そこに解決すべき課題はあるか」を意識して、課題特定・優先度評価をされると、よりプロジェクトの成功に近づけるのではないでしょうか。

 最後までお読みくださりありがとうございました! 


この記事を書いた人 

岩渕尚也 
2019年 セルソースにインターンとして入社
2020年 グローバルIT企業に入社。
    戦略コンサルタントとしてDX支援プロジェクトに従事
2021年 セルソースに出戻り。
    経営企画部にて、社内のDX業務を一手に引き受けて推進中。


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