経営層こそ「ゼロベース」に。セルソースのリーダー育成にTeambox LEAGUEを採用した理由。
こんにちは、経営企画本部の細田です!
当社は、2023年4月〜10月という長丁場に渡り、あらゆる組織のリーダー育成や組織開発を手掛けるTeambox社が提供するリーダー育成トレーニングプログラム“Teambox LEAGUE”を導入しました。
スタートアップが成長する過程で必ずぶつかる「リーダー不足」問題。その問題に対する一つの「解」を示してくれた本プログラムと、その成果について触れたいと思います。
「社長以外のリーダー」が必要。でもいない。
メンバーの数が「ダンバー数」を越えてきた
有難いことにセルソースは創業来事業拡大を続けており、それに伴ってメンバーの数も増えてきました。正社員数は2年前の90名から現在140名超に、派遣社員など全ステータスのメンバーを数えると200名前後の所まで来ました。
「人間が安定的な社会関係を維持できるとされる人数の認知的な上限」としてよく用いられる“ダンバー数“は100−250と言われますが、勤務拠点が分かれていることもあり、セルソースは既にこの上限を超えていると考えています。
「ダンバー数を超えた」ということは「単一組織での運営に限界が来た」ことを意味し、それは①社長からの権限移譲と、②権限移譲先での組織化が必要であることを示唆します。
「プレイヤー」色が強すぎるリーダー候補たち
そうなると、自動的に「社長以外のリーダー」が必要になります。
ですが、高速で成長を続けるセルソースにおいて、私も含めたリーダー候補たちはどうしても「プレイヤー」としてのアウトプットを求められる時間が長く、「リーダー」としての能力を鍛えたり、学んだりする時間を得ることが出来てきませんでした。
その結果、社長直下組織である「本部」は各々に問題を抱え、その問題が解決せず、歩みが停滞することが多々ありました。
この状況を目の当たりにした我々は、当社の最重要経営課題の一つが「リーダーの不足」にあると認識したのです。
「リーダー育成」にTeambox LEAGUEを起用した理由
リーダー育成プログラムを外注すると決め、いくつかのサービスを検討しましたが、最終的には中竹竜二さん率いるTeambox社のプログラム”Teambox LEAGUE“を選びました。その理由は、主に3つあります。
① 「ティーチング」ではなく「コーチング」主体のプログラムであること
私個人の感覚として、「Teachされてリーダーが育つ」というイメージを全く持っておらず、寧ろ「自身の中を掘り下げていくことでしか、リーダーにはなり得ない」と強く信じています。
マネージャーは知識や経験を外装することで育てられると思います。ただ、今我々が求めているのは「リーダー」であり、内面の部分のレベルを非連続的に引き上げる必要がありました。
そして、内面のレベルを引き上げるには「コーチング」が非常に適したアプローチだと考えているのですが、そこにTeambox LEAGUEがバチっとハマりました。
このプログラムは「Locker Room」という集合トレーニングを行うティーチングセッション、「Half Time」というグローストレーナーとの1on1を行うコーチングセッションからなるのですが、ティーチングセッションも多くの時間を「内省」や「対話」に費やし、単純に「聞いて学ぶ」時間は非常に短く設定されています。
30代のメンバーたちは過去にコーチングを受けた経験が無い者が多く、そういう意味でもコーチング主体のプログラムである、という所に大きな魅力を感じました。
② 「フィードバック」を何より大切にしていること
私は、「フィードバック」ほど強力かつ有効な成長ツールは無く、「フィードバック無くして成長なし」というほどに考えています。
フィードバックが無ければ、正しい自己認識も出来ませんし、アンラーン(*)する対象も見つかりません。コーチングも、私は「自分が自分にフィードバックする手助けをコーチがしているもの」と捉えています。
※アンラーン=これまで培ってきた成功体験や信念、慣れ親しんだ習慣を捨て、新しい考えを取り入れること
ですが、年を取れば取るほど、偉くなればなるほど、フィードバックは得づらくなります。だからこそ、強制的にフィードバックを促す仕組みづくりが重要なのです。
そして、このTeambox LEAGUEはLocker RoomとHalf Timeの間に、評価者として選ばれた5人(参加者外)が毎週対象者の「ポジティブな行動」「ネガティブな行動」「変化」についてフィードバックしていきます。
これが無くては、結局自分の変化を認識できず、良質なPDCAサイクルが回りません。やってみると、毎週フィードバックを貰うのは滅茶苦茶辛かったです(笑)が、だからこそ、次の良いPlanが生まれ、加速度的に成長することが出来ました。
③ 「個人」ではなく「チーム」を対象としていること
多くのコーチングプログラムは「個人」を対象にします。6人対象にする場合は「個人×6」のような形で運営されることが多いです。
一方、このTeambox LEAGUEは常にチームが対象なので、メンバー内でかなりの量の対話をこなしますし、互いの苦しみや悩み、達成感や喜びを共有していきます。
セルソースは医療業界にいることもあり、各々の専門性が高く、各人の領域に口を出し辛いところがあります。更に社歴も年齢も大きく異なるメンバーが集まっていることもあり、お互いの「遠慮」、少しネガティブな言い方をすると「壁」が存在していました。
そのため、今回は是非「個人」ではなく「チーム」でのプログラムを導入したいと考えていたところに、このTeambox LEAGUEがバチっとハマった、という印象でした。
Teambox LEAGUEを経て生まれた変化
10月5日に修了式を終えましたが、振り返ってみて、参加メンバーとチームの中に大きな変化が2つありました。
① 「5つのチェックポイント」のレベルアップ。特に「さらけ出し」が出来るように。
Teambox LEAGUEは「リーダーの5つのチェックポイント」を設定しており、参加者は常にこれを意識して学んでいきました。
この中でも、特に重要かつセルソースの課題であったのは「さらけ出し」でした。人は開示してくれない相手に対して、自身が開示をすることはありません。
ですが、成果を出してきた人ほど、優秀な人ほど「自己開示=さらけ出し」が下手になり、そして怖くなります。また、さらけ出さなくても仕事が回っている「ように見える」ので、その必要性も感じなくなります。
(「弱さを見せることの大切さ」=「Vulnerability」については、是非こちらをご一読ください)
まさにセルソースのNextリーダー陣もそこに陥っており、「隠している」つもりが無くても、外からは「あの人の内面が見えない」という状況に陥っていました。
ですが、このTeambox LEAGUEで対話、そしてコーチングを繰り返したことにより、多くのメンバーがさらけ出せるようになりました。悩んでいたら悩んでいる様子を見せられるように、感謝していたら心の底から感謝できるように。
僕は全員がさらけ出せている組織は、それだけで最強だと思っており、その第一歩を踏み出すことが出来たと思っています。
② 「共通言語」が生まれたことによる、意識の統一化
プログラムの中で、多くの新しい言葉を繰り返し学び、使いました。例えば、以下のように。
一度ではなく何度も使っていくと、自然とメンバーの間で使われるようになります。「今って本当にさらけ出せていますか?」「それ、アンラーンポイントじゃないですか?」「今こそGreatを目指そう」・・・。
共通言語があると、都度その意味などを説明することなく、一気にコミュニケーションが前に進みます。我々はセルソース思考22として「メンバーとしての行動規範」は言語化していましたが、「リーダーとしての行動規範や価値観」は言語化していませんでした。
そのため、今回のTeambox LEAGUEが多くの優れた言の葉を提供してくれたことで、自然とメンバーに浸透し、意識が統一されていきました。
それはまさに「リーダーのベクトルの向きが揃う」ことと同義であり、それが叶ったことは、何物にも代えがたい成果だと考えています。
③ 相互の理解が「多面的」になった
プログラムの中では、かなり突っ込んだ対話も行いました。例えば、「死」について。
大変に想定外の議題でしたが、話してみると、相手から出てきたのは自分には想像もつかない死生観でした。たった5分のやり取りでしたが、それだけで「相手の中」にぐっと入った感覚を持てましたし、どんな話でも今後持ち出せるような気になれました。
Teambox LEAGUEでいただいた大切な言葉の一つに「人を多面的に理解する」があります。「仕事上で見えるAさん」はあくまで「一面」に過ぎず、それしか知らないと、「Aさん」の言葉を額面通りにしか受け取ることが出来ません。
ですが、まさに死生観や人生の目標、過去の経験といった多くの「面」を理解していると、相手=Aさんの行動や発言に対する理解が深くなり、良いコミュニケーションが出来る、というものです。
この「死」に関する話はまさにそれであり、こういった対話を全員と繰り返したことで、仕事上でのメンバーに対するフィードバックや意見の質と量どちらも向上しました。
リーダーたちは互いにコミュニケーションを取る機会は極めて多く、ここのコミュニケーションのレベルが上がったことは、セルソースの実力向上に直接的に寄与していると感じています。
おわりに
ここまで書いてなんですが、正直、まだまだです。セルソースのリーダー陣は、LEAGUE参加者以外も含めて、もう数段階成長しなければなりません。
さもなければ、ただのGood Companyで終わってしまいます。ですが、今回のプログラムはセルソースにとって極めて大きな一歩であり、この歩みを止めなければ、間違いなく世界から必要とされるGreat Companyになれると信じています。