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【セルソース新体制インタビュー】新COOとCSOが語る変革と未来(後編)

前編では、細田COO と林CSO のキャリアや、澤田CEO の人材活用術、新執行体制の全貌について話してもらいました。後編では、二人の具体的な取り組みや、仕事への向き合い方、そして今後の展望について深掘りしていきます。

互いの強みを活かす相互補完体制 - 触媒のような関係

ーー前編でのお話を伺って、お互いに補完し合う関係だなと感じました。お二人はどのように感じていますか?

細田 薫 執行役員COO

細田:
林さんは「クリティカルシンキングの塊」みたいな人です。打ち合わせ中に「そもそも」を連発してくるので、初めの頃は正直うざいなと思っていました (笑)。

ですが、例えば「細田さん、そもそもこれって何のためにやってるんですか?」と聞かれると、自分の考えを言語化せざるを得なくなります。そして、「意外と言語化出来ない」ものも出てきて、そこからゼロベースでの議論が始まる。思考のきっかけをくれるんです

更に、林さんは数字も非常にきっちりしているので、そこでも逃げ場をくれない(笑)。数字と「そもそも」の問いかけによって、僕の思考が深まるんです。まるで触媒のような存在ですね

正直、私は物事を「見える化・数値化」するのは得意だと思っていたのですが、林さんが来てみると、そのレベルが全然違ったんです。今は「見える化する林さん」と「見えたものを基に実行する細田」という組み合わせがうまく回り始めていると思っています。

林 祐太 執行役員CSO

林:
細田さんは最近こう言うんです。「見える化してくれたら、やるのは簡単だよね」って……それって普通の人にとっては簡単なことではないんですよね(笑)。でも、細田さんのドライブ力、馬力は凄まじいんです。私が数字や分析で見える化したものを、細田さんがすぐに行動に移せる。この組み合わせは本当に強いと感じています。

また、お互いの強みは違うんですが、ビジネスを考える際の「こういうポイントが気になる」「この観点で考えるべきではないか」みたいな感覚はとても似ているんです。だから、強みは違っても意思疎通はとてもしやすいですし、「よし、これで行こう」とお互いに納得して走り出すことが出来ます

今期の目標 -『予算必達』と『型化』、『全力で走れる環境作り』へ

ーー 澤田さんはそこを見抜かれていたのでしょうね。その期待に対し、二人はそれぞれ今期どのような目標を立てていますか?

細田:
予算必達です。当たり前ですが非常に大切なことだと思っています。

マーケットやステークホルダーから「言ったことをちゃんと守る会社」という信任を得るための鍵は加工受託事業だと思っています。澤田さんの言葉を借りると『型化』ですね。

「これをやったらこのくらい当たる」「この場合は当たらない」というところを、戦術レベルも含めて『型化』することが重要だと思います。

例えば、「Aという施策をやる」というのは 5W1Hのうちの『What』、つまり『何を』という1Wに過ぎません。ですが、『誰が』『どのように』『何を』やったらこのくらいの効果が出るというのは2W1Hになります。

このようにできる限り因数が多く含まれた形での『型化』をするのが戦略家としては正しいアプローチだと考えています。

林:
私の目標は、やや抽象的ではありますが「会社が全力で走れる環境を作ること」です。

言い換えると、CEOである澤田さんに対しては、会社の正確な状況と今後想定される事態を早め早めに共有し、澤田さんが正しい経営判断を行える環境を作ることですね。

澤田さんには常々「俺とお前は思考が常にリンクしている必要がある、何かあったらすぐに言ってこい、俺もすぐに言う」と言われおり、一日の中で何度も呼ばれて議論を重ねることもよくあります。

澤田さんのビジネス嗅覚というか経営判断をする際のセンスは本当に凄まじいので、それを数値や分析で補強しながら実際の会社運営にしっかりと落とし込んでいきたいです。

事業責任者である裙本さんと細田さんに対しては、二人が全力で事業を前に進めることが出来るように、より高い視座で状況を把握しながら必要な情報や分析を提供し続け、更には先回りして武器を提供していきたいです。

実際の事業から一歩離れたところにいる立場から時には経営視点を持って各事業に「コンサル」をしつつ、状況に応じて経営リソースの追加投入をするなどして事業が拡大していく環境を作りたいです。

仕事への向き合い方- 月曜朝のルーティンから見える二人の仕事観

ーーここからは少し二人の職業人としての顔に迫ってみたいと思います。まず、月曜日の朝一番に行うことは何ですか?

細田:
本部全体のプロジェクト及びタスクの進捗確認です。本部54人全員 のタスクをNotionで管理しているので、遅延しているものが無いか、抜け漏れているものが無いかなど、各プロジェクトの進捗を本当にタスクベースで見ています。

マイクロマネジメントに聞こえるかもしれませんが、かなり拘ってNotionのデータベースとUIを設計したので、1時間もあれば確認が終わります

ただし、施策を計画する際のインプットが甘いと管理も出来ないので、 プロジェクトマネージャーがちゃんと各プロジェクトのWBS(Work Breakdown Structure)を引けるかどうかに掛かっていて、そこはかなり緻密にコミュニケーションしています。

林:
細田さんとはちょうど対照的かもしれませんが、私のルーティンは少し違います。

まず、一旦頭を空にして、1年後に会社がどのような状態になっていたいかを考えます。そして、そのためには半年後には会社はどのような状態でなくてはならないかを考え、3か月後のことを考え、というように未来から逆算していって今週1週間をどのように使うべきかを考えます

また、それを踏まえて澤田さんや他の役員達の今後1、2週間の予定をチェックします。もちろん彼らとは直接のコミュニケーションも密に取っていますが、カレンダー上の予定からも彼らがどのように時間を使おうとしているのか、今週来週は何に注力するのかを理解するようにしています

ーーこの1週間で最も頻繁に使った言葉は何ですか?

細田:
『自信・熱中・集中・爆発』ですね。この意味がご存知になりたい方は、是非私の個人noteをご覧ください(笑)。

私は「組織の中に共通言語や合言葉を作ること」にとても拘っています。共通言語を持つことの重要性は、例えば貞観政要にも明言されていて、歴史が証明しています。独自の共通言語・共通認識を持たない組織は人数の増加と共に認知・コミュニケーションがずれてしまい、崩壊していくんですね。

逆の良い実例では、リクルート社が分かりやすいと思います。社外の人は全く意味が分からない合言葉が沢山ありますよね。

なので、毎月推薦図書を発表し、四半期に一度は全員必読の課題図書を出しています。各書籍を元にメンバー同士が話しているのを聞くと、とても嬉しい気持ちになりますね。

林:
ちょうど11月から始まる第10期の予算編成の時期なので、実際に口から発した回数が多い言葉だったら、『予算』とかだと思います(笑)。

ただ、脳内での自分への問いかけや他の人への発言の意図を含めると、この1週間に限った話ではないですが、細田さんに口癖だと言われた『そもそも』が近いかもしれません。脳内では本当に「そもそもなんで今これやってるんだっけ」「そもそもどんな問いに対して答えを出そうとしているんだっけ」と自分に問いかけていますし、他の社員にも尋ねるようにしています。

これはコンサル時代からの習慣なんですが、「何を考えるかを考える」ということは強く意識しています。作業に熱中すればするほど作業ありきになってしまう危険性が高まるので、1時間に1回くらいは意識的に自分に問いかけるようにしています。

「何を考えるかを考える」といえば、安宅和人さんの『イシューからはじめよ』が有名ですが、本部キックオフの際にメンバーに推薦図書として紹介した本の一つなんです。常にイシューを意識することで、無駄な作業を減らし、本当に重要なことに集中できると考えています。

経営哲学を支える学びのスタイル - 対照的な成長アプローチ

ーー本の話が出ましたが、最近読んだ本から今の仕事のテーマに参考になったものをご紹介ください。

細田:
10倍成長』というダン・サリヴァンさんの本には非常に大きな影響を受けています。端的に言えば「より少ないものに集中し続ければ、より大きなことを達成できる」というテーマの本なのですが、それまでの私の悩みを氷解してくれることが沢山書いてありました。

澤田さんの経営方針とも完全にリンクしていて、読んで直ぐにメンバー54人分を自腹で購入し配りました(笑)。

林:
初めて読んだ本ではなく最近読み直した本なのですが、楠木建教授の『ストーリーとしての競争戦略』ですかね。もう何度も読んでいる本なのですが、CSO就任に際して再度読み直しました。

この本の最初の方に、「成功は、戦略が2割・運と根性が8割」ということが書いてあるんです。「成功のためには戦略の重要度は低い」ということではなく、「成功のためには運と根性の役割が大きいが、どんなに運が良くて根性があっても戦略が正しくなければ成功しない」ということです。

社員の皆さんの頑張りをしっかりと成功につなげるためにも全力で正しい戦略を考え続けねばならない、と改めて思いました。

『言語化』と『見える化』でセルソースの次なる飛躍に向けて

ーー最後に、新体制での今後の展望や抱負をお聞かせください。

細田:
私の一番の強みは、難しい概念や困難な状況でも、概念や問題を分解し、相手が理解できるように表現して伝えられる、『言語化力』だと思っています。

我々の加工受託事業もかなり大きくなり、人数も増えている中で、この『言語化力』に助けられている瞬間が多いです。ひたすらに言語化を続けていけば、組織全体が同じ方向を向いて進んでいけると確信しています。

林:
私の役割は、常に高い視点から会社全体を俯瞰しながら「今何が起こっているか」「それはなぜ起こっているか」「これから何が起こりそうか」を数値を用いて見える化し、会社を正しい方向に導くことです。

新体制になったことで役割分担も明確になり、会社の成長に一層貢献できることがとても楽しみです。

細田:
林さんがこうして会社の変化に応じて、過去、現在、未来を示してくれるのは本当にありがたいです。懐中電灯で見えない道を照らしてくれているようなものです。

林:
細田さんの『言語化』と私の『見える化』が融合することで、より強固な経営基盤が築けると信じています
。この新体制で、セルソースの次なる飛躍を実現していきたいですね。

聞き手:土生 淳子 セルソース株式会社 インベスターリレーションズ

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